【弁護士監修】M&Aの契約書&ひな形作成を分かりやすく解説!

【弁護士監修】M&Aの契約書&ひな形作成を分かりやすく解説!

2023.01.09

こんにちは。起業サポの弁護士の宮本です。

M&Aでは、さまざまな契約書を作成しなければならないことを知っていますか?

「M&Aをして、起業した会社を大きくしていきたい」
「今の会社を買収して、新しく起業したい」
「M&A契約の準備を進めたい」というみなさんに向けて!

今回は、M&Aの契約書とひな型・サンプルの作成方法について、解説をしていきます。
ぜひ最後までお読みください。

M&Aで使用する5つの契約書とは?

M&Aで用いられる主な契約書は以下の5つです。

①アドバイザリー契約書

M&A専門業者を選び、その業者との締結するための契約書になります。

M&Aをしたいと思っている企業(売り手企業や買い手企業)は、候補となる企業を探さなければなりません。ただ、M&Aについての必要知識がなかったり、どんな基準で選んだらいいのか?が分からないという企業も多くあります。

そういった企業に対して、アドバイスや手続きのサポートをしてくれるのが、M&A専門業者です。アドバイザリー契約書では、M&A専門業者が行う業務内容、契約金額などが記載されています。

②秘密保持契約書(NDA)

M&Aをするために、自社の情報を相手方に開示しなければなりません。
そういった秘密情報をM&A以外の目的で使用されてしまうリスクを軽減するために、「秘密保持契約書 (NDA)」の締結が必要になります。

③意向表明書

M&Aの交渉を始めるにあたって、買収する側が交渉内容を提案する書類になります。
交渉前にお互いが条件をすり合わせるための書類なので、必ず締結されるものではありません。

④基本合意書

最終契約書の締結に向けて、合意された内容を確認するために締結される仮の契約書となります。
意向表明書と同様に、この契約書も必ずしも締結されるものではありません。

⑤最終契約書

基本合意書をもとに作成をしていきます。
基本合意書よりも、M&Aについての詳細内容が記載されており、その条件を合意するための契約書となります。
「株式譲渡契約書」や「事業譲渡契約書」など、譲渡する内容によって書類の表題が異なります。

以上、5つの書類があるということがお分かりいただけたということで、この書類の雛形・サンプルをどう作成していくか?について説明をしていきます。

M&A契約書のひな形・サンプルの作り方

①アドバイザリー契約書

M&Aのどういったサポートをするのか?その業務に対する報酬はいくらなのか?を記載していきます。(1)~(3)をサンプル・雛形に盛り込んでおきましょう。

(1)報酬の取り決め

売り手または買い手がM&A業者へ支払う報酬のことです。M&Aの状況によって変動がある場合は、計算式等も記載しておきましょう。例えばですが、M&Aの際に官報公告が必要となる場合もありますが、その公告掲載料金は誰が払うのか?といったような内容です。

(2)業務の費用負担

契約に関する報酬とは別に、M&A業者がM&Aの過程において発生した費用を誰が負担するか?についても記載しておく必要があります。

(3)資料提供

M&Aをするためには、会社を把握するための資料提供が必須です。決算書、従業員名簿、取引相手一覧、会社案内パンフレットなどです。何が資料として必要か?をここで記載しておきましょう。

②秘密保持契約書(nda)

秘密保持契約書は、nda(Non-Disclosure Agreement)と英語表記の略称として用いられることもあります。

秘密保持契約書(nda)では、何が秘密情報に該当するか?どの範囲までの開示が許されているか?といった範囲に関することをサンプル・雛形に記載しておきましょう。

(1)秘密保持義務の内容
(2)秘密情報の開示が許される範囲
(3)目的外使用の禁止
(4)秘密保持義務の例外
(5)秘密情報の返還・廃棄に関する事項
(6)有効期間
(7)損害賠償
(8)準拠法・管
(9)その他の条項

上記9つを含めてひな形・サンプルを作成し、ルールを追記できる状態にしておきましょう。

秘密保持契約書(nda)のひな形・サンプルをつくるために、経済産業省が公開しているハンドブック(秘密情報の保護ハンドブック(経済産業省) )もあるので、こちらにも目を通しておきましょう。

③意向表明書

買収する側が売り手側に、M&Aをしてもらうための提案書類になります。意向表明書は任意の書類になります。

(1)買い手企業の企業概要
(2)買収目的・理由
(3)譲受希望額や根拠
(4) 買収資金の調達方法(自己資金・金融機関からの借入・融資など)
(5) M&Aのスケジュール
(6) デューデリジェンスの内容(事業、財務、法務、人事といった調査項目)
(7) 買収後の経営方針
(8) 従業員・役員などの処遇
(9)交渉期限

明確なルールはありませんが、この9つが記載されていることが多いです。

④基本合意書

(1)契約条件
(2) デューデリジェンスの内容(事業、財務、法務、人事といった調査項目)
(3) M&Aのスケジュール
(4) 独占交渉権の付与について
(5) 法的拘束力の及ぶ範囲
(6)有効期限
(7)秘密保持

意向表明書を重なっている内容も見られます。最終契約書までをスムーズにするためにもこの7つをお互いにしっかりとすり合わせしておきましょう。

⑤最終契約書

買収監査が終わった後に、基本合意書の内容をもとに修正や追記をして、正式な契約書を作成します。この書類を通じて、お互いに合意ができたらM&Aの手続きが完了となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は、『M&Aの契約書』をテーマにお話をさせていただきました。

必要となる契約書を準備するために、まずはひな形・サンプルといったフォーマット作成を進めていきましょう。

また、M&Aの際に、買い手も売り手も会社情報である“登記簿”を提示する必要があります。
登記簿の取得について知りたい方は、こちらの記事もご確認くださいね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


弁護士弁護士
宮本 真志

契約書の審査や作成、交渉を通して事業に専念できる体制作りの手助けをします。契約書を有利に作ることができるか否かによって事業の存続が決まるうえ紛争を未然に防止することもできます。また、トラブルにあった際には、直ちに相談し早期に対策をうつことで紛争の悪化を防止できます。

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