役員変更した時の手続きは?必要な書類や費用を解説!
2021.08.01
こんにちは!起業サポ 司法書士の笹山です。
会社の役員が変更した場合の登記手続きについてご存知でしょうか?
株式会社は10年(定款で役員任期を10年に伸長した場合)に1度を期限として、役員変更登記をする必要があります。
そして、役員変更登記には、手続きに必要な書類や手続きの方法など、非常に複雑で多くのことに注意しなければなりません。
今回は、役員変更手続きの流れ、必要な書類、必要な費用について、順番に解説していきます。
役員変更手続きとは?
商業・法人登記に記載されている役員が変更した際には、変更の登記手続きが必要となります。
登記というのは、会社の名称や所在地、役員氏名などを記載し、公示を行うための帳簿です。
会社は、設立した際にも役員が変更になった際にも、必ず法務局で商業・法人登記を行わなければなりません。
役員変更手続きは、主に次のような時に必要です。
就任…役員でなかった者が新たに役員となる場合
退任…任期が満了になった役員が再度役員に選任されなかった場合
重任…任期が満了となった役員が再度役員に選任された場合
辞任…任期の途中で自ら役員の任を退く場合
死亡…役員になっている者が任期中に死亡した場合
役員変更手続きの流れとは?
役員の変更には、株主総会の決議と役員変更の手続きが必要です。
手続きが終わるまでの流れは次のとおりとなります。
1.株主総会を招集
2.承認決議
3.役員変更手続き(登記を行う)
1.株主総会を招集
役員を変更する場合、まずは株主総会を招集します。
株主総会には、定時株主総会と臨時株主総会がありますが、その違いは次のとおりです。
定時株主総会…就任による変更、任期満了にともなう重任や退任による変更の際に実施
臨時株主総会…任期満了以外の役員の変更の際に実施
2.承認決議
次に、変更した役員の承認決議を行います。
先ほどの例であげれば、就任や重任、退任などの役員の変更には承認決議が必要となります。
一方で、辞任などの役員の変更では承認決議を必要としません。
3.役員変更手続き(登記を行う)
最後に、役員変更手続き(登記)を行います。
この手続きは、選任後2週間以内(本店所在地の場合。支店所在地であれば3週間 以内)にそれぞれの管轄の法務局で行わなければなりません。
期間内に手続きができていない場合、その後に手続きを行ったとしても会社・法人の代表者に対して、裁判所から100万円以下の過料を科せられる可能性があります。
役員変更手続きに必要な書類は?
まずは、役員変更手続きを行うときに必要な書類を確認していきましょう。
役員の変更する理由によって、必要な書類も変わりますので注意してくださいね。
共通で必要な書類
役員の変更がどんな場合でもあっても、次の2つが必要となります。
株式会社役員変更登記申請書
登録免許税(収入印紙)
「株式会社役員変更登記申請書」については、法務局のホームページからもダウンロードできます。
> 法務局『商業・法人登記の申請書様式』
「収入印紙」は、法務局で購入できますのであらかじめ準備しておく必要はありません。
とくに添付書類では、役員の変更する理由によって、必要なものが変わります。
事前に用意すべき書類を確認してから、手続きをするようにしましょう。
就任の場合
役員の就任の場合は、次の添付書類が必要となります。
・株主総会の議事録
・株主リスト
・就任承諾書
・議長および議事録署名人と本人の印鑑証明書
・住民票記載事項証明書などの本人確認証明書
・定款
退任の場合
役員の退任の場合は、次の添付書類が必要となります。
・株主総会の議事録
・株主リスト
・議長及び議事録署名人の印鑑証明書
・定款
重任の場合
役員の重任の場合は、次の添付書類が必要となります。
・株主総会の議事録
・株主リスト
・議長及び議事録署名人の印鑑証明書
・定款
・就任承諾書
辞任の場合
役員の重任の場合は、次の添付書類が必要となります。
なお、株主総会の席上で辞任の旨を表明し、株主総会の議事録や株主リストが提出された場合は、辞任届は不要です。
・辞任届
・印鑑証明書(法務局に印鑑を届出している役員が辞任の場合)
役員変更手続きに必要な費用は?
役員変更手続きの費用は、会社の資本額と手続きを行う人で変わります。
“資本額”では1億円以下か、1億円以上の基準です。
“手続き”では、自分で行うか、司法書士などに依頼するかとなります。
これらを踏まえて、役員変更手続きの費用は次のとおりです。
資本額 | ||
1億円以下 | 1億円以上 | |
自分で行う | 1万円〜 | 3万円〜 |
司法書士の報酬(弊所) | 1万7000円~ |
登録免許税の費用が1万円となっており(資本額1億円以上の場合は3万円)、これ加えて添付書類の発行手数料や交通費、郵送費用などの費用が発生するイメージです。
もちろん、司法書士などに依頼すれば報酬が必要となるため、その分だけ費用が増加します。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、役員変更手続きの流れ、必要な書類、必要な費用について、解説していきました。
役員の変更手続きは、会社であれば避けては通れない道です。しかし、非常に複雑で多くのことに注意しなければなりません。
ここまでの内容を参考に、役員変更に必要な処理をスムーズに進めていきましょう!
司法書士笹山 慶太
各種法人の設立手続が得意です。
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