「補助金等に係る予算の適正化に関する法律」ってどんな法律?概要やポイントを解説!
2021.12.08
こんにちは!起業サポ 中小企業診断士の小笠原です。
新型コロナウイルスの影響もあり、社長のみなさんも「補助金」について、考えたことはありませんでしょうか?
補助金は、「申請すれば、誰でも、必ず給付されるもの」ではありません。
今回は、そんな補助金のルールについて、「補助金等に係る予算の適正化に関する法律(補助金適正化法)」の概要や知っておくべきポイントを解説していきます。
補助金適正化法とは?どんな法律?
国や地方自治体が政策の実現のために実施することがある「補助金」。
補助金は、事業者の活動をサポートするために資金を給付する国・地方公共団体の制度の1つです。
冒頭にもあったように、補助金の申請は「申請すれば、誰でも、必ず給付されるもの」ではありません。
この補助金の適正な活用を促進するための補助金のルールとして、「補助金等に係る予算の適正化に関する法律(補助金適正化法)」という法律が定められています。
ここでは、補助金適正化法についての概要を解説していきます。
補助金適正化法=補助金に関したルールが条文となっている!
まず、補助金適正化法について、解説します。
補助金適正化法は、補助金に関したルールを条文という形で定めた法律です。
補助金適正化法の第1条では、法律の目的について定められています。
第一条
この法律は、補助金等の交付の申請、決定等に関する事項その他補助金等に係る予算の執行に関する基本的事項を規定することにより、補助金等の交付の不正な申請及び補助金等の不正な使用の防止その他補助金等に係る予算の執行並びに補助金等の交付の決定の適正化を図ることを目的とする。
引用: e-Gov法令検索
補助金適正化法を定めることにより、
- 補助金の不正な申請
- 補助金の不正な利用
を防止し、補助金制度の運営を適正に行うことを目的としています。
補助金適正化法には、罰則規定も定められていますので、安易な気持ちで補助金を活用すると罰則を受ける可能性もあり、注意が必要です。
補助金を申請する際は、補助金適正化法に沿った主旨かどうかを考えて、申請する必要があるといえますね。
補助金適正化法施行令とセットで機能する法律
補助金適正化法は、同法の円滑な運用を支える「補助金適正化法施行令」という政令とセットで機能しています。
施行令では、補助金適正化法の規定にない細かい内容を補完的に定めたものです。
実務的な内容が施行令に規定されていることもあります。
そのため、補助金の申請・活用にあたっては、施行令もしっかりと確認する必要があるといえるでしょう。
なお、補助金適正化法と施行令は、時代の変化に伴って、何度も、何度も改定されています。
改定された内容には、十分注意してください。
補助金適正化法の知っておくべきポイントとは?
ここからは、補助金適正化法のなかでも知っておくべきポイントについて、解説します。
これから解説する内容は、意外と知らない人が多い内容です。
社長のみなさんも、十分に注意しておくべきポイントになりますので、しっかりと確認しましょう。
補助金適正化法の知っておくべきポイントは、次の2つです。
- 補助金で取得した物は勝手に処分できない!
- 補助金適正化法の処分制限期間=減価償却資産の耐用年数
1.補助金で取得した物は勝手に処分できない!
先ほどの解説のとおり、補助金適正化法では、不正な利用を防止する目的もあります。
そのため、補助金で取得した物に対しても、一定の制限を設ける規定があるのです。
たとえば、補助金の取得した物を補助金の目的に反して、
利用したり、誰かに譲渡したり、貸したり、担保したり、廃棄したりなどの
処分を行うことは、事前の承認が必要なケースがあります。
ケースによっては、補助金の全部または一部の返還を求められることも。
補助金の申請時に把握しておくことで、後々のトラブルを避けることができます。
「補助金で取得した物は勝手に処分できない」旨はおさえておきましょう。
2.補助金適正化法の処分制限期間=減価償却資産の耐用年数
補助金適正化法では、処分に一定の制限を課していますが、一定の期間(処分制限時間)の制限も定めています。
この処分制限時間内で補助金の取得物を処分することができないようなイメージです。
基本的には、税金の計算の際に使う「減価償却資産の耐用年数」がもととし、補助金の目的に応じて調整をしています。
すべてを把握する必要はありませんが、「処分には一定の期間できない制限がある」旨は知っておきましょう。
まとめ
補助金に関するルールである「補助金適正化法」について、理解は深まりましたでしょうか?
今回は、そんな補助金のルールについて、「補助金適正化法」の概要や知っておくべきポイントを解説しました。
補助金は、事業を拡大していくうえでは必要な資金といえます。
ここで解説したような補助金のルールをしっかりと把握し、補助金をフル活用していきましょう!
経営コンサルタント小笠原 拓哉
理念型経営による社員がイキイキ働く理想の会社作りと、ロジカルシンキングを活かした現場の生産性向上が得意です。起業時に悩む様々なことを論理的に解決するお手伝いを致します。また、人事育成の面で「自ら考える人」「自ら考えるチーム」を育て、理想の企業を作るお手伝いをさせて頂きます。