ビジネスモデルキャンバス(BMC)とは?起業専門家が書き方をまるっと解説!
2023.08.01
ビジネスモデルキャンバス(bmc)があると起業後に便利ということをご存知でしょうか?
「新しいビジネスモデルを誰かと共有したい」「事業のアイデア出しをしたい」と悩む人にとって、ビジネスキャンバスは便利なツールです。
ビジネスモデルキャンバスの書き方を知らないと、事業に落とし込めなかったり、実現するのに時間がかかったりしてしまいます。
そこで今回は、起業専門家である私たち起業サポ目線から、ビジネスモデルキャンバスの書き方を解説しました!ぜひ、ビジネスモデルキャンバスを書くときの参考にしてくださいね!
ビジネスモデルキャンバス(bmc)とは
『ビジネスモデルキャンバス(bmc)』とは、ビジネスモデルを一目でわかりやすくまとめたフレームワークです。
ビジネスモデルキャンバスがあると…
・他社のビジネスモデルを確認できる
・自社のビジネスモデルを可視化して共有できる
・事業内容を投資家に説明しやすくなる
・自社の改善点を洗い出せる
といった便利さがあります。ビジネスモデルキャンバスは、ビジネスモデルを作成・理解・共有・改善をする目的で作成します。
ビジネスモデルキャンバスを作成する3つのメリットは?
①ビジネスモデルをチームで共有できる
ビジネスモデルキャンバスがあれば、可視化してわかりやすくなった事業内容をチーム内で共有することができます。事業を運営していると、どこかで認識のずれが生じてしまう可能性もあるので、ビジネスモデルキャンバスを共有し、目指す方向性を統一する必要があります。仕事の方向性が決まることで、チームのモチベーションを保つ働きも期待できるでしょう。
②他社の分析ができる
ビジネスモデルキャンバスは、他社の分析ができます。他社のビジネスモデルを9つの要素に分解して、特徴をとらえることが可能です。
他社がどのように顧客と関係を築いているのか、収益方法や、扱っている商品の価値を洗い出し、成功している例や自社との差別化ポイントを見つけて、アイデア出しの材料として使ってみましょう。
③社内の課題に気づける
ビジネスモデルキャンバスは、社内の課題にも気づきやすくなるツールでもあります。事業の運営が始まったら、ビジネスモデルキャンバスを見返してみましょう。当時は気づけなかった、ビジネスモデルの問題点を洗い出せる可能性があります。
例えば「顧客層がシニア世代なのに、広告を若者向けのSNSでも流していた」という問題点があったとします。その場合、広告費の使い道を考え直すことができますよね。社内の課題に気づきやすいのも、ビジネスモデルキャンバスのメリットです。
ビジネスモデルキャンバスの書き方
ビジネスモデルキャンバスの構成は、9つの項目(ビルディングブロック)あります。ビジネスモデルキャンバスが上手に書けないと、事業に落とし込めない可能性がありますので、各項目の意味を理解しておきましょう。
①顧客セグメント
顧客セグメントでは、利用してほしい顧客について書きます。
・年齢
・性別
・悩み
・叶えたいこと
・どんな職業なのか
・どのメディアを利用するのか
事業を成功させるためにも、商品サービスに合わせた顧客設定が大事です。例えば「子どもの偏食に悩む育児中の30代の専業主婦」や「仕事効率で悩んでいる、定時で帰宅したい20代のサラリーマン」など。顧客設定を詳しく決めるほど、後の項目を適切に決めやすくなります。
②価値提案
価値提案では、顧客が価値を感じる商品・サービス、料金設定などを書いていきます。設定した顧客が「どんな悩みを解決したいのか」を考えましょう。それに基づいて、顧客に価値を与えられるサービスやオファーを考えましょう。
例えば「偏食する子ども用に栄養の摂れるおやつ」の商品に「初回はお試し価格で50%」のオファーをつけます。そうすると、初めての商品にも価値を感じてもらえるでしょう。
③主要活動
主要活動では、事業を運営する際に必要な活動を書きます。
・商品開発
・材料の仕入れ
・営業
・販売戦略を考える
どのような活動をしていけば、商品やサービスを利用してもらえるのかを考えます。実際に事業を始めるための活動から、販売・提供までのタスクを書き込んでいきましょう。
④顧客との関係
顧客との関係では、顧客とどのような方法で関係を維持していくのかを書きます。新規顧客を獲得するために、どうやって広告を出すのか。顧客にリピートしてもらうためには、サポートやサービスをどう充実させていくのかを検討しましょう。
顧客との関係を構築するためには、コミュニティを作ったり、公式LINEを作成してお得な情報を配信したりする方法があります。顧客のニーズに合わせて記入していきましょう。
⑤キーパートナー
事業を運営していくうえで、主なパートナー(協力者)を記入します。事業内容によって、記入するパートナーは異なります。商品を製造するためには、部品の仕入れ先や工場などがキーパートナーになります。店舗が必要な場合は、代理店や宅配業者などがキーパートナーになるでしょう。事業に協力してくれるキーパートナーを書きましょう。
⑥キーリソース
キーリソースでは、事業を運営していくうえで必要なリソースを書きます。事業でのキーリソースは4種類あります。
・人材
・物
・資金
・情報
どれもビジネスに必要な要素ですが、リソースが多すぎたり少なすぎたりすると、事業の運営が難しくなってしまいます。顧客に安定した価値提供を続けるためにも、適切な量のリソースを書き出すことが必要となります。
⑦チャンネル
チャンネルは、商品やサービスをどうやって告知するのかを考える項目です。SNSやチラシ、自社のECサイトなど、顧客に告知する手段を検討します。
・商品やサービスを知ってもらう
・購入につなげる
・アフターサービスを利用してもらう
・口コミをしてもらう
チャンネルの目的や、顧客セグメントの設定によって、告知する手段が変わります。顧客の層が20代であれば、InstagramなどのSNSで告知するのが有効でしょう。ネットであれば、SNSからECサイトへ繋げられるので、購入まで繋げられます。このように、顧客設定と目的に合わせて、チャンネルの活用方法を記入しましょう。
⑧収益の流れ
収益の流れでは、自社の商品やサービスから得られる収益を記入します。収益を得るタイミングは、商品の販売したときだけではありません。メンテナンスや修理などのアフターフォローにも収益が発生します。
商品ならサブスクリプションにしたり、不動産なら仲介手数料だったり、いろんな形で利益を発生できます。自社のマネタイズの方法を考えて、収入の流れを書きましょう。
⑨コスト構造
コスト構造では、事業を運営していくときに発生するコストを書きます。コストとは、商品開発から提供するまでにかかる費用のことです。
キーパートナーに業務委託するときに支払う費用や主要活動でかかる費用などを詳細に記載します。人件費や広告費も、コスト構造に書きましょう。コスト構造を書くと、自社利益の割合や、無駄な出費がないかを確認できます。
⑩本で学習してから書くのもおすすめ
実際に書き込んでいくと、もっと事例や詳細を知りたいと思う人もいるでしょう。そんな人のために、おすすめの本をご紹介します。
出典: amazon
「ビジネスモデル・キャンバス徹底攻略ガイド 企業、チーム、個人を成功に導く『ビジネスモデル設計書』
ビジネスモデルキャンバスの書き方を、2万人以上伝授してきた著者が書いた本です。基本の書き方と、ビジエネスモデルキャンバスを書いた後の、検証方法と使い方も解説しています。
出典: amazon
「事業計画に落とせるビジネスモデルキャンバスの書き方 」
新しく事業を創造したい人におすすめの1冊です。ビジネスモデルの書き方から、ビジネスモデルキャンバスの書き方まで説明しています。資金調達のために、金融機関や投資家に響く提案方法が分かります。
まとめ
今回は起業支援のプロである私たち『起業サポ』の視点で、ビジネスモデルキャンバスの書き方について、ご紹介させていただきました!ビジネスモデルキャンバスの役割は、共有すること・理解すること・新たなビジネスモデルを創造することです。
ビジネスモデルキャンバスを書く際には、事業の基礎知識が必要で、記入項目が多いです。なので初めから完璧に書こうとすると、途中で挫折してしまうかもしれません。記事を参考にしながら、まずは最後まで簡潔に記入してみましょう。
また、ビジネスモデルキャンバスを作るのなら、ビジネスモデルについても理解しておきたいところです。ビジネスモデルを知って、より効果のあるビジネスモデルキャンバスを作成してくださいね。