副業の経費はいくらまで計上できる? 領収書の発行は必要?
2022.09.15
こんにちは!起業サポ 税理士の末松です。
起業している方やフリーランスの方は、経費計上をすることで節税対策になります。
しかし、「副業でいくらまで計上できる?」「収入より経費が多い場合問題になる?」「領収書発行で会社に副業がばれる?」など、副業での経費に関する疑問をお持ちの方は多いのでしょうか。
本記事では、副業の経費計上の疑問や、確定申告時に気を付けたいポイントについて解説します。ぜひご参考にしてくださいね。
副業で計上できる経費はいくらまで?収入より経費が多い場合は?
まず、副業でいくらまで経費を計上することができるのかなどを見ていきましょう。
経費が計上できる所得区分
そもそも、全ての所得で経費を計上できるわけではありません。
たとえば、一般的に「ダブルワーク」と言われるような、2つ以上の企業に雇用されて「給与所得」を得ている場合は、経費計上できません。
しかし、所得区分が「雑所得」「事業所得」「不動産所得」の場合は経費として計上することができます。
なお、会社員の副業で多い、ブログ・YouTubeでの広告収入やアフィリエイト、Webライター、せどりなどは一般的に「雑所得」になります。
副業で計上できる経費はいくらまで?収入より経費が多い場合は?
では、副業で計上できる経費はいくらまでできるのでしょうか。
結論から言うと、副業で計上できる経費に上限はありません。
副業をするために必要であった費用は全て申告することができます。
たとえば、収入よりも経費が多い以下のようなケースでも全額、経費として計上できます。
どのようなものを経費計上できる?
副業の経費としては、所得を得るために実際にかかった費用を計上できます。
たとえば、以下のようなものがあります。
・交通費
・広告費用
・販売する商品の仕入れ、発送、管理費用など
・仕事で使用する道具の費用 など
経費計上できるものについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
プライベートで使用しているものとの按分方法についても記しているので、ご参考にしてくださいね。
副業の確定申告時、経費計上での注意点とは?
続いては、副業の確定申告をする場合、経費に関する注意点について解説します。
確定申告は20万円以下の場合しなくてよい
そもそも、副業で年間所得が20万円以下の場合であれば確定申告をする必要はありません。
確定申告とは、年間所得が20万円を超える場合に行う制度だからです。
しかし、確定申告はしなくてもよいとはいえ、各市町村に対して払う住民税の納税義務は発生します。したがって、市町村での住民税支払いの手続きは忘れず行うようにしましょう。
年間所得が20万円以下の確定申告については、下記記事でまとめています。ご参考にしてください。
副業でも領収書発行は必要
会社員が一般的に行うような「雑所得」の副業でも、領収書の発行はもちろん、領収書を保存する必要があります。
また、確定申告のときに領収書を添付する必要はありませんが、税務署からの調査が入ったときに提示を求められます。
なお、領収書の発行は、青色申告の場合は7年間、白色申告の場合は5年間となります。確定申告が終わってからも廃棄せず必要期間は保存しましょう。
領収書発行には何が必要?
領収書とし認められるためには、必要事項が記入されていなければなりません。
副業の領収書だからと疎かにするのではなく、必ず下記項目の漏れがないか確認しましょう。
・宛名
・金額
・内容
・発行した側の名前
領収書を発行することで副業がばれることはある?
会社に秘密で副業をしているのに、領収書を発行することで副業がばれるのでは?と考える人もいらっしゃるかもしれません。確かに、自分だけでなく取引先でも領収書は長年保管されることになり、そちらに名前が記載されていると、そこから何かのきっかけで副業がばれることも考えられなくもありません。
ただ、実際のところ、領収書から自らの会社に副業がばれることはほぼないと言えます。
そもそも、その領収書が目に入るのは営業担当以外であれば経理担当、会計士、税理士、税務署職員などに限られており、その関係者は職務上の守秘義務を負っているからです。
しかし、確定申告を行っていない場合は、取引先の領収書から調査が入る可能性があるため注意しましょう。
年間所得20万円以下であれば確定申告をする必要はありませんが、20万円を超える場合は忘れず確定申告をしましょう。
まとめ
以上、副業の経費について、いくらまでできるか、また収入より経費が多い場合はどうするのか、確定申告時の注意点などを解説しました。
副業でも経費計上は上限なく行うことができます。領収書発行・保存は忘れず行い、収入はもちろん経費についても正確に確定申告しましょう。
税理士末松 和真
クラウドを使った経理業務の効率化が得意です。会計業務、請求書作成、経費精算、給与計算などをクラウド化する事により、業務効率を改善するお手伝いを致します。
効率化によって空いた時間を事業計画作成など経営に関する時間に使っていただきたいと思っています。